大人は「糖質制限」する理由として、健康のため、ダイエットのため、糖尿病治療のため、などがありますが、子供達はどうでしょう?同じ人間なのだから「糖質制限」した方が良いのでしょうか?子供の糖質制限について考えてみたいと思います。
一日の食生活
共働き夫婦が多くなった現在、皆さんのご家庭ではどのような食生活なのでしょう?おじいちゃん、おばあちゃんと同居のご家庭もあるかと思いますが、ここではお母さんが食事を作るのを前提として考えてみたいと思います。
朝食
お弁当を作るご家庭では、朝ご飯はお弁当の残り物。というご家庭も少なくはないのでしょうか。
しかし、出来ればお弁当と同じものを朝ご飯では食べたくないですよね?
せっかくのお弁当の楽しみもなくなってしまします。ですので、実際のメニューとしては、お弁当の残り物や前の日の晩の残り物をリメイクしたり、新たに作ったりしているのではないでしょうか?
洋食:パン、シリアル、牛乳やヨーグルト、卵、ハムやソーセージ、果物など。
和食:ご飯、味噌汁、卵、焼き魚、漬物、果物など。
我が家は「和食」ですが、洗い物のことまで考えると、朝から焼き魚をする気になれず、シャケフレークや冷凍してあるしらすやちりめんじゃこをご飯にかけて食べています。
時間がないので、極力まな板や包丁は使いたくありません。
食べる量ですが、幼児や小学低学年くらいの子なら軽い朝ご飯ですむでしょうが、高学年、中学生、高校生の食べ盛りの頃となると、朝からガッツリになってきます。
そうすると、おかずももう1品増やして・・・と、これが理想ですが、実際にはそんな時間がなく、ご飯大盛り、あとはふりかけでもかけて。
という感じで主食を増やし、お腹いっぱいになってもらうのではないでしょうか?
洋食なら、パンを1枚だったのが2枚。と、こちらも主食が増えます。
それではこれらの糖質量は?
まだ子供だし、若いし、それに朝だから多めに糖質を摂っても良さそうです。
若いので血糖値を下げるインスリンも、健康な子供ならバンバン出ることでしょう。
運動も、大人よりは遥かにたくさん動くのでカロリーも消費するでしょう。何よりも成長期、栄養を摂ってなんぼです。これらは理想的な考えです。
実際は、さほど運動もしないのにご飯の量が多すぎで、良かれと思って食べてる果物も大量の糖分が含まれています。
洋食の場合も同様で、パン以外の牛乳やヨーグルトも思っている以上の糖質が含まれています。(糖質が意外に多く含まれている食べ物の一つです)
これでは一気に血糖値が上がってしまいます。一気に上がれば、血糖値を下げる為に出るインスリンも頑張って出るので一気に下がります。
血糖値が一気に上がると身体がちょっとした興奮状態になり(やる気が出るので良いことではありますが)、かたやイライラしていた気分がリラックスする。
という良い効果もあるのでしょうが、問題はそのあと一気に血糖値が下がることです。
ゆっくり下がるのではなく一気に下がると、またイライラ、やる気が出ない。という症状が出やすくなり、キレやすい子供にもつながります。
なぜ一気に下がるのでしょうか?それは、若いのでインスリンの出る量も質も良く、上がり過ぎた血糖値を元に戻しているだけですが、差が大きいので一気に下がってしまうのだと思います。
昼食
給食や、お弁当、学食などでしょう。
お弁当は決まった量しか食べられないですが、給食と学食はおかわりが出来るのではないでしょうか?
最近の給食は、ご飯は単なる白飯ではなく、〇〇ごはん、と味が付いていたり、ふりかけとセットになっているものが多いそうで(ふりかけは小袋ではなく直にかけるそうです)、昔のように単なる白いご飯ではないようです。
もし、おかわりしたいおかずがもうなければ、ご飯をすすんでおかわりするでしょう。
学食はおかわりではなく、「ご飯大盛り無料」などでしょうか。
もちろん代金を払えばおかずも増やせるでしょうが、だったら「ご飯大盛り無料」でお腹いっぱいの方を選ぶ学生さんも多いでしょう。
もしくは、足りない分を、菓子パンやカップ麺で済ますという人もいるでしょう。
給食も学食も糖質をおかわりしていては、朝食とまた同じ血糖値の急上昇、急降下になります。
間食(おやつ)
子供なら必ずと言って良いほど、何かしら食べるのではないでしょうか。
何を食べるか。
両親が働いていれば、栄養を考えておやつ作りまでするのは現実的に難しい話だと思います。
ですので、子供達は「おやつ」=「お菓子」「菓子パン」と思っている子がほとんどではないでしょうか?しかしこれがまた厄介。
おやつで糖分を取ると、「もっと食べたい」と思うのです。大人だってそうです。
おやつが美味しいからというよりは、砂糖のような糖分に中毒性があるので、やめられない、止まらない。
となり、大人の場合なら結局1袋食べちゃった、となるのですね。(子供は、親が言い聞かせてどうにか決まった量で終わらせていますが・・・)
プラス、飲み物も甘いジュースとなれば、さらに血糖値は急上昇、そして昼食同様に急上昇、急降下となるのです。(100%野菜ジュースなどでも糖分はたっぷりあります)
夕食
世の中のお母さんたちは頑張って晩ご飯を作り、もしくは買ってきたお惣菜を出す、などして栄養バランスを考えると思います。 ここで子供達の好きなメニューを挙げてみたいと思います。
○唐揚げ ○カレー ○ハンバーグ ○コロッケ ○餃子 ○焼肉 ○ラーメン ○スパゲティー
この中で糖質が多いのはどれだと思いますか?答えは、唐揚げ、ハンバーグ、焼肉以外全部です。
野菜料理では、「煮物」にすればこちらも糖質たっぷりになります。最後にデザートで果物や甘いものを取れば、またしても血糖値の急上昇、急降下となります。
子供の未来を考えるなら
以上のような食生活が毎日続くうちに、うちの子はこんなキレやすい子じゃなかったのに・・・
なんでいつもそんなにイライラしているのかしら・・・
私の育て方間違えたかしら・・・
となる可能性があるのです。糖質過多の子はキレやすく、イライラしやすいデータも出ているようです。
穏やかな性格の我が子が、糖分の摂りすぎのせいで全くの別人になってはこれほど悲しいことはありません。
大概の子供は糖分が好きだと思います。
赤ちゃんだって母乳の甘みから味覚が育ちます。甘いものは美味しいし、簡単に手に入りいつでも食べられます。
スーパーやコンビニには糖質過多の商品がずらりと並び、その誘惑に負けてしまっているんです。今は糖分を摂るのが習慣になってしまっているだけなんです。
これからは、その日の献立で、ちょっと糖質が多いかな?と思ったら、ジュースはお茶に、ご飯が多めのメニュー(チャーハンやオムライスなど)なら、野菜や肉を多くし、デザートはやめる。
デザートの代わりにチーズを出してみる。など、一つ糖質の多いものを他のものに変えてみる。こんな簡単なことから始めてみれば苦にはならないのではないでしょうか?全ては我が子の健康のために…
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