ビタミンDと聞くと一般的には、「日光に当たって作られる」と思っている方も多いのではないでしょうか?もちろん正解です。しかし、紫外線が気になり、ビタミンのために日に当たるということは普通しませんよね。
昨今ビタミンDが注目され話題になっています。どのような働きがあり、どのようにすれば十分な量を摂取できるのでしょうか?
ビタミンDの働き
ビタミンDはカルシウムと一緒に摂るとカルシウムの吸収が良くなるのはご存知でしょうか?最近のカルシウムサプリメントは、マグネシウムも一緒に含有されていることが多いです。更にビタミンDの免疫力アップ効果やガンや糖尿病、自閉症などにも有効なのでは?と言われています。
- 骨の形成を成長を促進
- カルシウムとリンの吸収を促進
- 遺伝子の働きを調節し、免疫向上・糖尿病予防・発がんの抑制
ビタミンDの種類
- ビタミンD3
動物性食品である魚肉、肝臓、鶏卵、人の皮膚に含まれている。日光に当たることによりビタミンD3になる。
- ビタミンD2
植物性食品であるキノコ、天日干しシイタケ、海藻類などに含まれている。
ビタミンDの目標摂取量が増えた?
日本の食事摂取基準2010年度版ビタミンD耐容上限量は成人で50μg(2000IU)/日ですが、これでは本来ビタミンDが持つ多くの有益な作用が得られないことが指摘されているようです。
1日250μg(10000IU)6ヶ月間摂取しても安全であることも報告されていますので、今後見直しが進められているところのようです。
東京都内で夏に日光を30分浴びると、700〜800IUのビタミンDが体内に作られるといわれています。これは季節によっても量が違います。冬はご存知の通り紫外線量が少ないため約1/5の量になってしまいます。
紫外線との関係
まず皮膚に紫外線が当たってプレビタミンD3になる。→体温によってビタミンD3に変わる。
→できたビタミンD3はタンパク質によって肝臓に運ばれる。
このような順序でビタミンD3ができますが、この紫外線とはUV−Bの方です。UV−Bは日焼けの原因になる紫外線です。UV−Bは服やガラスを通れません。いつも室内にいたり、外出時も日焼け止めを塗っていると、知らず知らずのうちにビタミンD不足になっている恐れがあります。
ビタミンD不足の症状
- 骨粗鬆症、骨軟化症
- クル病(小児)
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 免疫力低下
- 自閉症
- うつ
- 花粉症
骨とビタミンD
骨もビタミンDと大いに関係があります。ビタミンDにはカルシウムの利用を高める働きがあります。血液中のカルシウムやリンを一定に保ってくれています。
ビタミンDが不足すると、子供ではくる病、大人では骨粗鬆症など骨の病気になりやすくなってしまいます。
骨とは?
人間の骨は何のためにあるのでしょうか?
- 体を支える
- 肋骨は心臓や肺などの内臓を守り、頭蓋骨は脳を守る
- カルシウムが足りなくなった時のための貯蔵
骨の役割などあまり考えたことがないですが、大切な役割をいくつもしてくれています。健康な骨のためにはこの不足しやすいビタミンD、カルシウム、タンパク質をしっかり摂り、適度な運動をすることが効果的でしょう。
脳にも影響する
脳ではビタミンD3を活性型ビタミンD3という働き者のビタミンに変えることができます。その活性型ビタミンD3は脳の中で神経細胞の保護、増殖、分化などの調節を行なっていることがわかったそうです。よってこのビタミンD3は行動や精神トラブルへの対応が期待されています。
免疫力の強化
ビタミンD3を1200IU/日の摂取でインフルエンザA型の罹患率が下がったという報告があるそうです。これはビタミンD3が免疫を強化できる可能性がある、ということかもしれません。
糖尿病との関係
糖尿病とビタミンDも深い関係があり、糖尿病患者の血中ビタミンD濃度の高い人は、低い人に比べてⅡ型糖尿病のリスクが64%低いことが報告されているそうです。
ビタミンDを多く含む食品
ビタミンDを多く含む食品としては、サケ、マスなどの魚介類に多く存在します。以下、一食あたりの含有量です。
- サケ1切れ(100g) 1576IU
- さばの水煮缶(固形120g) 440IU
- うなぎ1/2尾(80g) 608IU
- きくらげ1個(1g) 176IU
- 卵1個(55g) 40IU
まとめ
今まで重要視していなかったビタミンDですが、身体への影響が多いのはわかりました。紫外線に当たってシミやシワになりたくない。肌荒れするのが怖い。そのような場合は手のひらだけでも当たれば肌荒れの心配もないでしょう。
あとは食べ物からいかに摂取するかだと思います。サケは1切れで相当量を摂取することが出来ます。もちろんビタミンDに限らず、他の栄養素もバランスよく摂取し、日々健康でいられることが大事ですね。
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